戻っなれるな



「そうだよねぇ???もっと早くに気が付けばよかった。ごめんね???馬鹿の一つ覚えみたいに、ぼく???いつだって、後から気が付くんだ。いやになる???」

「責めたんじゃないぞ。」

「う???ん???、うん???わ、わかってるけど???」

テーブルに突っ伏したきり、もう涙が止まることは無かった。
えぐえぐと、引きつるようにしゃくりあげながら、詩鶴は一時間余りも涙にくれ、次に顔を上げたときに、柾くんにお話があります、と決心をつけたように告げたのだった。

頬がこわばっていた。

「あのね???。テレビなんかで、名前は知っているかな。」

「ぼくは、京都の鴨川総合病院の、跡取り息子です。」

「えっ。」

脳外科に世話になるような人は、ひょっとしたら知っているかもしれない。
たぶん誰かがテレビで見たと、言い出せば周囲がうなずくような神の手を持つスーパードクターがいる病院だった。
大きな脳腫瘍で、余命いくばくかとか言う患者が、助かって家族が感涙に咽んでいるのを特番で見たことがあるような気がする。
詩鶴はそんな大きな病院の跡取り息子なのだそうだ。

「すっげ???」

俺は、そんな安易な感想しか言えなかったが、詩鶴は言葉を続けた。

「でも、それも二年前までの話だよ。父が倒れてしまったから。」

ほっと、小さく息を継いだ詩鶴が言うには、2年前にそれほど腕の良かった父親が悪性腫瘍で倒れ、今は家の総合病院で植物状態になっているらしい。
医者の不養生ということなのだろうか。

「ぼく???ね。小さい頃から、お父さんに憧れていて、まるで神さまみたいに大勢の人を助けられる医者になりたいとずっと思ってた。」

「うん。詩鶴は親父の背中を見て、ちゃんと育ってたってことなんだな。いいじゃん。」

ほんの少し嬉しそうに詩鶴は微笑んで、でも直ぐに顔が曇った。

「まるで、ドラマの中のような話だよ。ぼくはね、ずっとお医者様になりたかったから、勉強以外は何もしないで最近まで過ごしてきたんだ。周囲に、どれだけ迷惑かけているか何も気が付かないでね。」

詩鶴は、自分が病院の後を継ぐべく懸命に勉強をがんばっていたらしい。
家が病院だからといって、なまじっかなことで医者にんて、さすがに俺でも思っていない。

「父が突然倒れて、病院をどうするかって途方にくれていたのだけど、叔父さんが勤めていた大学病院をやめて、父の代わりに病院にてくれることになったんだ。」

ほんの少し、違和感があった。

「叔父さんって???。さっきの、あの柄の悪いやつなのか?」

詩鶴はうなずいた。

どこか悲しそうな詩鶴の話は、いきなり核心を突いて、手首の傷の話になるのだろうか。

俺は覚悟を決めて向かい合うと、一つの皿の上にあるハンバーグをつついた。
視線を合わせて詩鶴の顔をじっと見るには、ちょっと勇気が居る。

詩鶴は???本当にそこに居る詩鶴は、小さくて心もとなくて、そのくせ儚げな表情で消え入りそうに微笑むから???
母ちゃんの人形のようなけぶる眼差しを向けて、小首を傾げたら俺じゃなくても、誰だって庇護欲をかきむしられるんじゃないかと思う。

さまにこと


「琉生……いいか?僕は親父が琉生とお母さんを間違えているなんて、一言も言っていない。」
「あ……。」
「正直に答えてくれ。琉生も親父の様子がおかしいと感じているんじゃないか?親父は琉生をお母さんだと思っているのか?そう口にしたことがあった?例えば、琉生をお母さんの名前で呼んだことはないか?」
「そんなことは……」

無いとは言えず、琉生が言葉を飲み美股 即時 報價込んだのを、尊は見逃さなかった。

「ちょっとだけ……怖かったことが有る……。お父さんは時々、ぼくに傍にいろって言うんだ。」
「それで?」
「最初言われた時は、学校があるから無理って断った。ちょうど、隼人兄ちゃんが学校に行くときで遅れるぞって呼んでくれたから、すぐに出かけたんだ。」
「それだけか?」
「うん……それだけ……」
「琉生。僕はいつでも琉生の味方だろ?誰にも言わないから、何が有ったか話してご覧。隼人にも言わない。」

琉生はしばらく考えて、やっと重い口を開いた。

「その日の夕方、学校帰りに塾に行ったんだ。そうしたら、帰るのが遅いってひどく叱られた。今までどこに行ってたんだって。いつか、お母さんと出かけた時、ぼくがバスに酔ってしまって帰りが遅くなった時が有ったでしょう。あんな感じの……一方的な怒り方。でも、ぼくはいつもどうり、塾か飲水機推薦らの帰り道は、どこにも寄らないでまっすぐ家に帰って来たんだよ。それに、お父さんはこれまで、そんなでぼくを怒った事なんてなかったのに……」
「急にそんな風に叱られたら、琉生も困るよな。」
「うん……帰るなりすごい剣幕だったから、ちょっと驚いた。」

寺川は、妻の外出を喜ばなかった。
たまに出かけた妻の帰りが遅くなると、あから不機嫌になって、側に子供たちが居ようと構わずに文句を言った。

尊はそんな父を知っていたから、母に代わって、できるだけ琉生を連れて買い物に行くようにしていたくらいだ。

もしも琉生を相手に、過去に母にしたのと同じようなことが繰り返されているのだとしたら、放ってはおけない。琉生の話を聞き、尊の不安は昏い確信へと変わった。
父を信じたくても、事実を前にしては、どうしようもなかった。

「……一周忌の法事も済ませたのに、親父はまだ立ち直っていなかったんだな。酒量が暗瘡治療増えていると聞いていたから、気になってはいたんだが、お母さんがいない現実を認めたくないんだな。」

尊はしょんぼりと俯いた琉生に、ふっと笑いかけた。

だとはれま


幕末最大の惨劇の主人公となった容保を藩主に頂いた会津藩には、塗炭の苦しみと耐えがたい困難が次々と襲う事になる。

あどけない顔で眠る幼い直正も、襲い来る歴史の奔流に投げ出されてゆく。
生まれたばかりの一衛も、身長ほどもあるゲベール銃に持ち換えて、鶴ヶ城で籠城した後、大好きなおHKUE 傳銷隣の直正の背中を追って、遥か江戸の地で命を落とすことになる。
雪一片の如く時代の中に消えゆく二人……儚い人生であった。翌月、藩政見習いの為、松平容保は初めて会津入りしている。
直正の父と濱田家の叔父は、身支度を整え、家(か)中総出で行われる追鳥狩へと出発した。

追鳥狩とは、会津藩伝統の長沼流にのっとった作法で行われる、実際の戦さながらの大がかりな軍事演習のことである。
夕方4時から具足に身を固めた藩士が二手に分かれ、鶴ヶ城の追手門(表門)と搦手門(裏門)から出発する。
先陣が大野ケ原に到着すると合図の狼煙を上げ、これを滝沢峠船石で中継し城下に報せ、そのまま野営して朝を待った。
容保も戦支度をし、藩士たちと共にかがり火の下で夜の明けるのを待つ。
その姿は青い陣羽織を纏い、烏帽子を被って凛々しく白鉢巻を巻いたもので、美々しい貴公子振りであった。

やがて白々と夜が明けると法螺貝の音が開始を告げ、全軍があげる鬨(とき)の声と共に、演習がHKUE 傳銷開始される。

夕刻、表に出て見送る直正に、父はふっと優しく破顔した。

「きっと、一番鳥の手柄を上げて見せるぞ。良い知らせを待てよ、直正。」
「はい、父上。首尾よく獲物を捕らえらすように、ご武運お祈りいたします。」
「では、行って参る。」
「行ってらっしゃいませ。」

父と叔父が揃って出かけるのを家族と共に見送ると、直正は踵を返し家ではなく隣へ走った。
二日前から、小さな一衛が熱を出したと聞いて胸を痛めていた。

「叔母上!叔母上。一衛の様子はいかがですか?お熱は下がりましたか?」
「ああ、直さま。……まだ下がりませぬ。感冒思うのですけれど、どうやらこの子は咽喉が弱い質らしくて……。」

寝間の我子を見やった叔母は、数日の寝ずの看病で面やつれをしていた。
一衛は生まれつき呼吸器が弱く、免疫がある赤子にしては、よく高い熱を出す。
直正は上がり込むと、赤い一衛の顔と短く忙しない呼吸を認めた。
そっと、額に手を当ててみる。泣き声もか細く力がなかった。

「かわいそうに、一衛。……お熱が高いね。」
「わたくしの乳が余り出なくて、貰い乳に出かけたのが良くなかったのかもしれません。いつも来てくれてHKUE 傳銷いた方のご実家に御不幸があって、夜風が冷たくなった頃に一衛を連れ歩きましたから。」

戦うの背負い


元々、長く戦列を離れていた西郷には、指揮は不向きだったのかもしれない。
西郷頼母は決死實德の覚悟で単騎、敵陣に打って出ようとしたが周囲はこれを止めている。
指揮に慣れていない西郷頼母を選んだ、容保の人選が適切ではなかったと言えるかもしれない。
鳥羽伏見の戦で古い戦の方法が役に立たないとわかっていながら、何故指揮官を頭の固い西郷にしたか。
何故、京都で結果を出した若い山川大蔵を呼び戻し、抜擢しなかったのか。
そこにはやはり、旧態然とした会津の考え方があった。
会津の上層部はまだ古い考えに縛られていて、若手の登用に積極的ではなかったといえる。
その上、会津に入るには必ず通らなければならない橋を落とそうとしたが、新政府軍の進軍が早すぎて破壊が間に合わなかった。石橋の頑丈さが仇となった。

直正は手勢を率いて、白河へ入ろうとしたが既に陥落した後だった。

「白河が落ちたか……」

本陣から城へ戻ってきた容保は、報告を聞くと、ぎり……と、唇をかんだ。
斥候が伝えて来るのは、各地での敗戦ばかりだ。
白皙の支付寶貴公子は疲れ果てていた。

*****

ついに新政府軍が迫り、城下では火急を告げる早鐘が激しく打ち鳴らされた。
城下は、荷物をもって城へ集まる人々でごった返していた。

「半鐘がなっています。母上。早くお城に行きましょう。直さまが早鐘が鳴ったら急ぎなさいとおっしゃったのです。お爺さまは、一衛がますから、お支度をお願いします。」

いつも通り、寝たきりの舅に粥を炊く母の背に、一衛は声を掛けた。
大八車を手配したかったが、どこも他所に貸し出すほどの台数はなく用意できなかった。一衛は本気で祖父を背負って城へ入る気だった。

「あの……母上、どうかされたのですか?」

落ち着いた母が、何故か急いでいないのが不安だった。

「お急ぎ下さい。、時間が来たら城門が閉まってしまいます。」

母は、しゅっと襷をほどいた。

「一衛。あなたは一人でお行きなさい。母はお爺さまと、この家に残ります。あなたはお城に入り、しっかりと父上の分もですよ。よろしいですね。」
「え……でも……上士の家の者は皆、お城へ入るようにと實德金融言われています……。」
「何をうろたえているのですか。こちらにいらっしゃい。お爺さまにお別れのご挨拶をするのですよ。」
「……あい。」

れません通だと思


ああ、綺麗。
澄んだ空に向かって樹木が伸びています。
なんでこんなに綺麗な世界があるというのに
僕たちはずっと下を向いて歩いているのだろう?と
思わされます。
それくらい綺麗な空と木々。


だが、しかし、
僕たち夫婦には使命があるのです。
シダーローズを探すという高尚な使命です。


またこんなのを書いちゃうと、
アンチ共産党の人みたいに思われるかも飲水機品牌しれませんが
決してそういうわけではございませんよ。
僕はあくまでも無党派の人間です。
でも、
いかなる誤解を受けることになったとしても
これだけは書かずにいられないんです。


だって、
志位委員長の新たなるポスターが

こんな感じなんですもの。


いやぁ、
これ、すごくないですか?
なんていうか唖然としてしまうポーズです。


この日曜日はお休みだったので
僕は朝早くに起きて
小説の書き直しをするためいつもの喫茶店へ
向かっていました。
奥さんはお勉強することがあるので
別の喫茶店へと行きます。
向かう方面は一緒なので寒い中を連れだって
僕たちは歩いていたわけなんです。
その通りすがりに、


これを見つけてしまったわけです。


うーん、こりゃすごいな。
そんなことはないと思うけど、
ふざけてるように見えてしまう。
それにしても
この手はなにを示そうとしているのでしょう?
水晶玉に手をかざしているようにしか見えませんね。
あるいは、


このお方の真似でもされているのでしょうか?
なにかが爆発しちゃうんでしょうかね。
でも、なにが?
共産党が?政治が?国会議事堂が?


また、
このお方も思い起こされてしまいますね。

Mr.マリック氏です。
しかも、
こうなると――


かなり似通ってしまいますね。


あるいは、このお方も。

ユリ?ゲラ―氏ですね。


志位委員長にスプーンを渡したら、
全部ひん曲げてくれそうです。
いや、まあ、
そんなことしてもらっても誰も得しないですけどね。


そう考えて、もう一度
志位委員長のポスターを見てみましょう。

なんだか不敵な笑みを浮かべてますね。
隠し球を持っているって感じの表情です。
「いくら数で押し切ろうとしても
俺たちには神秘のパワーがついているんだぜ」とでも
言っていそうに見えます。


しかし、
顔だけ切りとってみると、


若干は不敵な表情に見えるものの
いつもの《立派な野党党首》の顔にしか見えません。
やはり、手のポーズが問題なんですね。
どういう意図があって、こんなふうに撮ったのだろう?
そして、
なにを表現しようとこのポーズを採用したのでしょう?


いや、
まあ、そんなことは
どうだっていいんですけどね。

僕はけっこうな田舎の生まれなので
町のあちこちに舗装されていない道がありました。
雨が降った後なんかは
ぬかるんでしまうような道ですね。


しばらく埼玉に住んでいたこともあるのですが、
まあ、あの辺にも
当然のよ搬屋公司うにありましたね。
僕の住んでいたのが川沿いでもあったので
土手下なんかはもちろん
剥き出しの土にびっしりと雑草が生えていました。
そこを歩くことはほぼなかったものの
きっと雨の後にはぬかるんでいたことでしょう。


東京で暮らすようになってからもけっこう経ちますが、
さすがは大都会だけあって
探さない限りは舗装されていない道に
ぶちあたりません。
しかし、
探そうとすればあるもので、


こんな感じにぬかるんでいます。


とはいえ、
これは《道》といっていいかわからない場所です。


毎度お馴染みの雑司ヶ谷墓地ですね。


僕は休みの日にはだいたいいつも
雑司ヶ谷墓地に行くようにしているので
(漱石先生の墓参にです)、
こうやってぬかるんだところを
歩くことができるわけです。


いえ、
とくにぬかるんだ道が好きってわけじゃないですよ。
靴に泥はつくし、気をつけてないと滑るし、
どちらかというと嫌いな方ですね。
ただ、
こうやって眺めていると、
今朝は東京でも霜が降りたのかな?なんて思えるので
その部分だけに関していえば、若干は好きですね。
ぬかるみに季節を感じるってことでしょうかね。


(↑誰かの足跡が残ってますね。そうとう泥まみれになったことでしょう)


ところで、
僕はぬかるんだ道を歩いていると
忌野清志郎の歌を口ずさんでしまいます。
『雪どけの道では
何度も何度も足をとられ
大切な一言が言いにくい
言いにくい春なのさ』
いや、
まったくもって『雪どけの道』なんかじゃないのですがね。
でも、なんとなく口をついてきてしまうんです。


ま、
どこにでもあたりまえにあるような
ぬかるんだ道に興味を持つなんて
相当な暇人のすることなのでしょう。
それこそ、
同じ歌で清志郎がうたっているように
『駅のホームに散らかってる出来事さ』と
思われる方もいるでしょうね。
「こんな写真撮ってどうする気?」ってふうに。


しかし、
ごくあたりまえのものに出会えない場所にいると
こんなものにでも
心を動かされることがあるんです。

まあ、最近ほとんど耳にしませんけど
『ガッツ』って言葉がありますよね。
「あいつ、ガッツがあるな」とかの
『ガッツ』です。
ああ、それに
ガッツポーズの『ガッツ』ですよね。
そっちの方はまだ耳にすることもあります。
《ガッツポーズ論争》なんてのもあったようですしね。


さて、
この『ガッツ』ですが、当然のごとく
もともとは英語であって、
『gut』の複数形であります。
単数では『腸』のことらしいですが
複数形になると『はらわた?内臓』になるようで、
それが転じて『根性?肝』みたいな意味にも使われるそうです。
つまり、
「Hehasgats」は、
「彼は内臓を持っている」ではなく、
「奴は肝が据わってる」になるわけですね。


で、
『ガッツ』というと必ず登場してしまうのが


このガッツ石松氏ですね。
このお方、本名は鈴木有二さんなんですね。
リングネームに本名の欠片もないわけですが、
『石松』は、あの『森の石松』から
『ガッツ』は、所属ジムの方々が
「もっと根性のあるボクサーになってもらいたい」という
希望をこめてつけたそうです。


ガッツポーズについては、
このガッツ石松氏が試合で勝ったときにしたポーズが
由来になっているという説搬屋公司が有力になっているようです
(それ以外にもボウリング絡みの説があるようです)。
だから、
先にちょっとだけ挙げた《ガッツポーズ論争》にも
ガッツ石松氏は引っ張り出されてしまったようですね。
ちなみに
このガッツポーズはいわゆる和製英語ってやつで、
英語では『victorypose』とするのが普通のようです。

なにが言いたいかというと
(いえ、とくになにか言いたいこともないのですが)、
こう並べてみると
なんかすごくないですか?
『gut(腸)』→『guts(内臓。転じて根性)』→
『ガッツ石松氏』→『ガッツポーズ』という流れが。


言葉が流れ流れて、この極東の島国で
変な感じに変わっていってしまったんですよ。
いや、
まあ、言葉自体はさほどの変化をしておりませんが
『ガッツ』と言えば『ガッツ石松』が頭に浮かぶように
なってしまっているんです(僕だけかもしれませんがね)。


ん?
変な感じに?
いえ、
僕はガッツ石松氏を敬愛していますよ。
ボクシングというスポーツが好きですし、
彼は世界チャンピオンにまでなった方ですからね。

うん、ほんとうに敬愛していますって。

「ああ、この人って自分が大好きなんだろうな」と
思わせる方っていますよね。
僕が勤めている会社の常務はまさにソレで、
まあまあ良い男振りでもあるのですが
それを思いっきり意識されてるような節があります。
髪をかきあげる仕草なんかを見ていると
ひしひしと伝わってきますね。
「そうとうなもんだな、こりゃ」と思うほどにです。


その常務ですが、
今は部下どもに任せているようですけど
僕が入社した頃は
二次面接を受け持っていたんですよね。
で、
彼の面接を受けた者たち(僕も含む)は
「ああ、この会社、絶対に落ちた」と思ったものです。
というのは、
ずっと、ほんと延々と
自分の話しかしないからです。


「俺は昔こういうとこで働いていて、
それで、今はこういう立場になっているわけだけれども、
まあ、そうなれたのにはやり方があって、
つねにこの後どうなるかを考えながら、
次なる一手を考えつつ働いて、なおかつ
自分の生活のことも念頭におきながら――」と
句点の置き所に困るしゃべり方で捲したてられました。
いえ、
そこは良い男振りの方なので、喚くわけでもなく
ごく淡々と低い声で話されていましたけどね。


そんな面接受けたことがなかったものだから
大多数の者たち(僕を含む)は
「ああ、この人は私に興味がないんだ。
つまり、不採用ってことでしょ?」と思ったわけです。
ま、そう考える方が当然でしょう。


今はほとんど顔をあわせることもありませんが、
僕はその常務を見るたびに
「うん、そうとう自己肯定の強い人だな」と思います。
ま、仕事上の彼しか知らないので
それですべてを判断すべきではないのでしょうけど。


ところで、
かくいう僕もけっこう自分が好きです。
「そうでなければ文章を書いたりしていないんだろうな」
などと思ったりもします。
だって、
書くこともそうであれば、このように発表してるなんて
自己愛の強い人間でなければしないと思いませんか?
――いや、まあ、
どんな理由で文章を書くかなんてことを述べはじめると
テーマから著しく離れてしまいそうなのでやめますが、
僕は「うん、自分のこと大好きだ」と思う人間のひとりです。


しかし、
そうではあるんですが、
完全に諸手を挙げて「自分、大好き!」にはなね。
「ああ、この部分は嫌だな」だの
「昔、あんなことしちゃったからな」なんてふうに思うと
「うん、けっこう嫌い」とも思うことも(多々)あります。


人間って、身内の者にも決して言えないような
失敗体験を抱えているのが普いもするので、
完璧に「自分、大好き。イヤッホー!」にはなれないですよね。
だけど、

静かにらないだ


つい、この間までちびだった俺は、人型になった時はきっと夏輝よりも年上に見えると思う。人型になったときの俺は、少し前の消耗脂肪ふわふわじゃなくて、きっとかなり凛々しく男らしくなっているはずなんだ。

くん…?風に乗って、妙な屍肉の匂いがする……?
河原にある小さな土饅頭の前で、立ちつくしたそいつは静かに泣いていた。
ああ、誰か大切な奴が死んでしまったんだな。
そいつは、本当に哀しそうにそこで佇んでいたんだ。
でも、その土饅頭は俺には墓だってわかるけど、丁寧に均(なら)されていたから、誰かが埋葬されているなんて、人間の目にはわかろう。つか……なんで、人間なのにこんな寂しいところに埋葬されているんだろう。人間だったら、こんな河原の寂しいところじゃなくて、きちんとした墓地に埋葬されるはずなのに……。

生きていれば、必ず死はやってくる。白狐さまだって、父ちゃんだって長生きだけどいなくならない保証はない。野良の犬猫が飢えたり車に轢かれて道端で儚くなっているのを俺は何度も見た。
白狐さまのように神域に住む存在は、誰かの信仰心が無くなったら、存在意義がなくなって消え失せてしまうものだし、狗神の父ちゃんだって種をつないだ後は、いつかはこの世から姿が消える。長命だけど、この世のものは誰も不老不死じゃない。
魂魄香港公司註冊は永遠だけど、肉体は滅びるものだから…って、父ちゃんが言ってた。

「だからこそ、悔いの無い人生を生きろよ。今の記憶を持ったまま輪廻転生できるならもっと楽に生きられるんだがな。」

父ちゃん、それ俺にはちょっと難しすぎだって。

そっと傍に寄っても、そいつはずっとめそめそと泣いていた。
俺の事はわかったはずなのに、ずっと前を向いたまま滂沱の涙は止まらないみたいだ。
隣に座って溢れる涙を、舐めてやってもじっとしていた。

「ナイト……。ずっと……探してたんだよ。」

不意に、そいつが俺の名を呼んで首っ玉に掻きついてきた。

「ちょっ……ちょっとお~……?」

夏輝以外に、こんな風にぎゅうっと首っ玉に掻きつかれたのは初めてだった。
何だか、涙腺が壊れてしまった感じだった。
後から後から涙があふれてきて、そいつは最初泣いていたのだが、そのうちえぐえぐとしゃくり始めた。

「ナイト~……ううぅ~……ナイト~……」

「え、まじで俺のこと?」

そいつがあんまり悲しそうに泣くので、父ちゃんの血を楊婉儀幼稚園 拖數引いてる男気溢れる俺としては宥めずにはいられなかった。

「よしよし……。泣きたいんだったら、気が済むまで泣きな。俺の胸を貸してやるよ。」

「わあぁあ~~~ん……ナイト~~~っ!どうして、どうして、ぼくを置いて逝っちゃったんだよ~~~ああ~~~んっ……。直ぐに帰って来るって言ったのに。嘘つき……嘘つきぃ……あ~~~んっ……」

お詫び気になっ


だがね……と、続けられた楼主の言葉は冷たかった。

「油屋の旦那の身請け話を勝手に断った上に、今度は禿の不始末だ。ちっとばかり、その澄ました玲瓏な白面を歪めてやろうじゃないか。ちょうど、桜の季dermes 激光脫毛節の花見の余興にいいだろう。坪庭で夜桜の宴を開くとしよう。お前を吊るすには、枝ぶりももってこいじゃないか。」

「あい、お父さん。この雪華を、ご存分にお仕置きしてくんなまし……」

「言っておくが、私は最近のおまえの気ままなやり方には、少しばかり腹を立てていたんだ。覚悟はいいね、雪華花魁。大勢の前で啼いてもらうよ。お前が袖にした、油屋の旦那にも招待状を送っておこう。お前がこれまでつれなくした他の上客にもね。高い見料を払ってくれるだろうよ。」

「あ……い。」

雪華の白い顔が、心なしか強張っていた。

*****

「うう~~~~っ!」

芋虫のように縄目を受けた初雪を、抱き寄せて自由にすると、雪華太夫は打掛を脱ぎ掛けてやった。

「冷たい土間にいると、お風邪を引くよ。六花、そこで覗いているんだろう。男衆に頼んで、初雪にお湯を使dermes 脫毛わせてやってくれ。温かい汁もね。」

「あい。」

部屋でいい子にしてろと言われた六花は、どうにもてそうっと降りてきて、様子をうかがっていた。

「雪華兄さん、兄さん……あぁん……初雪のせいで……兄さんが酷い目に遭う~……」

「よしよし……泣かなくてもいいよ。足抜けのをするのは、初雪には酷だよ。男衆に、よってたかっていたぶられるんだよ。どこに隠れているか知らないけれど、忍んで来た好きなお人に、そんな姿は見せられないだろう?」

「でも……でもっ!」

「お前が思い詰めて足抜けなんぞをする前に、身が立つように考えてやったらよかったんだが、禿のおまえがついつい可愛くて、遅くなってしまった。だから兄さんが、初雪の代わりに罰を受けようよ。」

初雪はとめどない涙にしとどに濡れ、傍に控えた六花も涙にくれた。自由にふるまっているように見えdermes 脫毛價錢る雪華花魁でさえ、娼妓は誰も皆、商品だと思い知った。
大江戸一の花菱楼の美しい籠の鳥は、風切り羽を切られ、決して自由に羽ばたいたりはできないのだった。